ソフトウェアの説明
(CQ社，インタフェース誌7月号に書いた特集の抜粋です．)
Software Stack
ソフトウェア・スタックを以降に示します．簡易版と言う考えもあって，Serial Bus Managerは最小限の機能しか持っていません．HAL(Hardware Abstraction Layer)は内部的には，BALと，CALに分離してあります．BAL(Board Abstraction Layer)はボード特有な部分を抽象化します．例えば，レジスタをメモリ空間の，どの部分に割り当てるかとか，リセット信号の発生方法などが，それに当たります．CAL(Chip set Abstraction Layer)は，チップ特有な部分を抽象化します．例えば，Bus Resetをどの様に生成するかとか，割り込みの処理などが，それに当たります．
CALを変える事によって，どのベンダのチップを使う事もできます．もっともIEEE1394では，レジスタの規定もありますし，OHCIもあり，チップに依存する部分は最低限に押さえられます．BALを変える事によって，どのようなボードデザインにも対応可能となります．
Read request for Quadlet data
DVカメラから，コンフィグレーションROMを読み込んだ様子を示します．IEEE1212の0xFFFFF0000400と0xFFFFF0000404の2個所のQuadletデータを読み込んだ様子を示します．
0xFFFFF0000404の内容が，"1394"になっているのが分かります．ブロック単位の読み込み要求も送信できますが，IEEE1394機器のすべてが，IEEE1394の定めるTransactionをすべてサポートしているとは限りません．相手の，IEEE1394機器が，当該Transactionをサポートしていない場合，Transactionは無視される場合が多いです．筆者もいくつかの機器や，いくつかのPCIボードを試してみましたが，IEEE1394が発展途中であることや，ピア・ツー・ピアを前提に開発されていて，正常な応答を得られない場合がありました．また，Bus Managerなどのインプリメント，かなり省略されているものがあります．
AV/Cコマンド
AV/CコマンドのUNITINFOコマンドをDVカメラへ送ってみました．応答を観察すると，0x300738008045が返ってきています．Opecode=0x30は正常，operand[0]の0x07も正常です．次のoperand[1]は，unit_typeの5ビットと，unitの3ビットに分割されます．opcode[1]の値は，0x38ですので，unit_typeは7となります．unit_type=7は，IEEE1394の"AV/C Digital Interface Command Set General Specification"(1394 TAのホームページからダウンロード)によると，Video Cameraと規定されています．正常に動作しているようです．operand[2]- operand[4]にはCompanyIDが入ります．
File Transfer over IEEE1394
応用として，Windows9xで，ファイル転送を，IEEE1394を使って行ってみましょう．
各社の製品との接続のテスト
手元に，いくつかのIEEE1394機器があります．これらを接続して，最終テストを行います．まず，株式会社ピクセラのPixeDVを接続してみます．PixeDVには，Adaptec社のIEEE1394ホストアダプタである，AHA-8920が添付されています．図に，接続の様子を示します．
IEEE1394ボードとCQ RISC評価Kit/Vr4300
今度は，Windowsを離れて，Embeddedで動作させてみます．EmbeddedボードにはCQ出版社の「CQ RISC評価Kit/Vr4300」を使いました．
CPUがVr4300ですが，ここで開発したプログラムを他のCPUへ変更するのは簡単です．事実，今回作成したプログラムを「CQ RISC評価Kit/SH-3」でリコンパイルしてみましたが，問題なくコンパイルできました．CPUより，メモリマップ等，ボードに対する依存の方が大きいです．インタフェース部が，FPGAになっていますので，自分でで作り直せば，CPUを変えるのは簡単です．
図に環境を示します．パソコンにディバッガなどをインストールし，シリアルケーブルでVr4300ボードに接続します．Vr4300に，2階建てで簡易ML-Iボードを接続してあります．インタフェースはPC104を使います．その簡易ML-IボードからIEEE1394ケーブルで松下電器のDVカメラ，NV-DS7を接続します．
プログラムリスト例
